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時計仕掛けの男 新訳・解説・注釈付き――人間と機械の境界を描いた1923年の先駆的SF
1923年、機械文明が急速に人間の生活を変えつつあった時代に、E・V・オードルはひとつの奇妙な未来像を描いた。『時計仕掛けの男』の主人公は、機械を使う人間ではない。機械そのものを身体の内側へ組み込まれた、未来の人間である。
ある日、英国の静かな田舎町に、ぎこちなく歩き、耳をぱたつかせ、身体の内部から不可解な機械音を響かせる男が現れる。最初は狂人か、奇妙な見世物かと思われたその存在は、やがて人々の常識を根底から揺さぶっていく。彼の身体には精密な「時計」が組み込まれ、時間と空間に対する人間の限界そのものが、まったく異なる形に作り替えられていた。
しかし、その驚異的な能力は自由を意味しない。効率、速度、永続性を追求した未来社会の果てで、人間は何を得て、何を失ったのか。愛、誕生、老い、死、笑い、涙――不完全だからこそ人間の生に意味を与えてきたものは、機械によって克服されるべき欠陥なのだろうか。
科学的思弁、英国的なユーモア、不条理な会話、身体の変容、そして時間をめぐる哲学的な問いが交錯する『時計仕掛けの男』は、ロボットという言葉がまだ新しかった時代に、人間と機械の境界を大胆に想像した先駆的なSF作品である。
本書は、1923年の初版を参照して本文構成を再確認した新しい日本語訳に、作品とその時代背景を読み解く解説、注釈、用語集、年表を加えた新装版。百年以上を経た現在だからこそ、時計仕掛けの男の姿は、かつて以上に私たち自身の未来を映し出している。
E・V・オードル(Edwin Vincent Odle, 1890–1942)は、イギリスの作家・批評家・編集者。銀行員、俳優、劇評家などを経て創作活動を行い、1923年に代表作『時計仕掛けの男』を発表した。人間と機械、時間、進化、未来社会をめぐる大胆な着想で、今日では初期SFの再評価において重要な作家の一人とされる。
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- Artikel-Nr.: SW9783565509089110164
- Artikelnummer SW9783565509089110164
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Autor
E. V. Odle
- Verlag neobooks
- Seitenzahl 179
- Barrierefreiheit
- ISBN 9783565509089